ギターは花形だが諸刃の剣でもある
バンドにおいて、ギターを花形と表現する文章を良く見ます。
それほどに、現代のバンドミュージックでは、ギターの音色を余すところなく使って、曲が構成されています。
ギターとは主に弦をひっかき、はじいて出した音を増幅した楽器です。
加えて、本来ボーカルがメロディラインを歌うのと同等、そしてそれよりもやや広い音域、中音域が担当ということもあり、非常に目立ちます。
目立つということは、うるさくなりやすい、ということでもあります。
役割はコード感を出し、歌を引き立たせること
多くの曲の場合、ギターはその曲のコードを元に自らの旋律を作ることを生業とします。
これは、決して自分ひとりが目立つためのものではなく、最大の目的は曲の質感を維持し、ボーカルを引き立たせる役割であることです。
もちろん、中にはギターを際限なくフィーチャーしたバンド、曲調というものもありますから、この限りではありません。
しかし、そうしたものの目指すところは結局、歌なしの演奏、インストゥルメンタルに行き着く可能性が高いでしょう。
歌がある以上、歌が主役であり、歌を引き立たせる演奏があくまで基本です。
ギターならではの特徴
特定のまとまったフレーズを挟むことをリフをはさむ、といいますが、とりわけこのリフの概念がつよいのはおそらくギターでしょう。
ギターはもともと、6音を組み合わせて演奏しますが、コードという単位で一定の塊、指の形で発生する和音を単位に旋律を作ります。
ですから、1音ずつバラバラではなく、まとまったリフという解釈で自分のパートを理解していくことが多いでしょう。
ギター演奏の大きな特徴として、刻むパターン(カッティングといいます)によって、ドラム、ベースに次ぐリズムを形成することがあげられます。
同じ中音域の楽器にキーボードやシンセサイザーがありますが、こうしたいわば「音色を変えられる」楽器と比べると、ギターという一つの楽器で表現できる幅は狭いと言わざるを得ません。
しかし、生の弦を弾くそのパターンによって発生する、この固有のリズム、これは他では成しえない宝物なのです。
また、音色に関しては、さまざまなエフェクターと呼ばれる音を加工する装置を通すことによって、さまざまな音を作り出すことはできます。
もちろんそれは、キーボードやシンセサイザーと違って、あくまでギターのなかでの音の変化ですが、この特徴によりジャンルが決定することもあるほど、重要な曲のニュアンスの要素となっています。