バンド活動初心者入門

悪く言えば何でも屋、よく言えばCDの音質に近づけるための武器

キーボード/シンセサイザーほど、楽器の特性を掴むのが難しい楽器も少ないでしょう。

キーボード/シンセサイザーとは、行ってしまえば鍵盤楽器全般を指します。
しかし、鍵盤楽器以外のものもそこには含まれます。

これは、キーボード/シンセサイザーというものが、楽器の根底にある音色を「切り替えられる」からに他なりません。

つまり、これまでに挙げた、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、これ以外の音すべてを担当するのが、キーボードです。

ですから、言ってしまえば何でも屋です。

しかし、裏を返せば、このパートは誰よりも曲に対する理解がなくてはならず、またそれぞれの音色をそれぞれの楽器が弾くように弾き方を知っていないと勤まりません。

同じ中音域を鳴らすギターというパートも存在します。

このギターの存在も生かしつつ、いかに上手く曲全体をステップアップさせることができるか、というアレンジメントに近い部分をキーボード/シンセサイザーが担っているのです。

バンドにおけるキーボード/シンセサイザーの優位性とは

よく、バンド演奏にキーボード/シンセサイザーは必要ないという人がいます。

たとえば、すごく激しいヘッドバンキングをするようなデスメタルであれば、その必要性は薄れるでしょう。

しかし、一般的にもっともポピュラーなJ-POPを狙う場合、その存在は極めて重要性を帯びてきます。

もちろん4ピースのバンドであれば、必要ありません。

それは、はじめから曲の構成に鍵盤楽器を入れないからです。

しかし、巷に溢れている曲を聴いてみてください。

いったい、ドラムとベース、ギター、ボーカルだけで純粋に成り立っているバンドや楽曲はどの程度あるでしょう。

ほとんどは、何かしらピアノ、エレピ、オルガン、ストリングス、ブラス、クラビネットやグロッケン、それぞれの楽器が上手く組み合わさってバックオケを形成していることがわかるでしょう。

コピーにしろ、オリジナルにしろ、今やっている音楽を完成させるとき、おそらくキーボード/シンセサイザーという役割は絶対に必要になります。

キーボード/シンセサイザーの上手いプレーヤーが奏でるバンド演奏は、バンド演奏でありながら、CDを聴いているかのような質感を得ることが出来ます。

裏を返せば、それがある程度のメジャー、プロレベルの演奏としての1要素であるととることにもなります。